1990年代前半までは、5~6年ごとに大規模な全国流行がありました(1976、1982、1987、1992年)。しかし男女幼児が定期接種の対象になってからは、大規模な全国流行は見られなくなっていましたが、2004年に、推計患者数約4万人の流行があり、10人の先天性風疹症候群が報告されました。
その後2011年にアジアで大規模な風疹流行が発生し、海外で感染を受けて帰国した後に風疹を発症する成人男性と、職場での集団発生が起こり始めました。2010年に87人だった報告数は2011年に378人となり、2012年には2,392人となっています。
急増する風疹患者
2013年は患者数が更に急増し、2013年5月1日の報告数は5,442人となり、2012年1年間の2倍以上となっています。首都圏と近畿地方が特に多いのですが、急速に全国に感染が拡大しています。風疹といえば子供の病気というイメージが有るかもしれませんが、報告患者の9割は成人で、男性が女性の約3.5倍になっています。男性は20~40代、女性は20代に多いとのことです。
この流行の特徴は、日本のこれまでの風疹の定期予防接種の制度に問題があったためです。
先天性風疹症候群
妊娠期に妊婦が風疹にかかると、子供が「先天性風疹症候群」になる可能性が高くなります。
2012年10月~2013年4月までの7ヶ月間に10人の先天性風疹症候群が報告されました。2013年は2012年の約35倍にもなっています。